[2002.06.01]
  すべて,そもすべて


 ▼ディスクレス・パソコンを可能にする『iBoot』(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/Enterprise/News/2002/Item/020531-5.html


 ネットワークがコンピュータになるんだ。もう一度,その言葉を考えよう(過去記事12)。

 IBM社がiBootというストレージ技術を発表した。これはデータをパソコン内のハードディスクに保存せず,ネットワーク上のリモート・ディスクドライブに保存するもの。ソフトもiBoot上にインストールされて利用するので,アップデートの際に,個々のパソコンを回る必要がなくなる。

 ZDNetのコラムでMIPSという提案がされている(ZDNet Newsの記事)。これはネットワーク上のCPUを使い回るというもの。つまりiBootとMIPSを使えば,パソコン内にCPUとハードディスクはなくなる。メモリだってグラフィックチップだって,ネットワーク上に置いておけばいい。パソコン内には基本的な最低限のシステムと,ネットワーク機能があれば十分だ。ネットワークがコンピュータになる,それにより高まる利便は絶対的なものだ。

 10年くらい前。情報はパソコンのなかにあるものがすべてだった。必要があって情報をやりとりする場合はフロッピーディスクを使った。パソコン通信なんかもあったけど,インターネットによって情報はすべてネットワーク上にあるのが普通となった。必要なものはネットワーク経由で参照すればすむ,すべてすむ。パソコン内にはなにも情報はなくてもよくなった。それが,ハードディスク,CPU,メモリに広がるだけだ。そして,人間さえも,ここにいる必要はなくなる。音楽も,映画も,新聞も,雑誌も,パソコンも,…人も,ここにいる意味はない。


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